きまぐれ宿日記8

1999/01
小野川温泉
冬の名物
「豆もやし」

以前から興味のあった「豆もやし」。どうやって出来るのか、 話しは聞けども なかなか現場を見る機会は少ない。 なぜならその作業は 朝3:30頃からはじまるのだから。
画像は、「もやし小屋」と呼ばれるもので、寒くなる11月頃になると小屋が立つ。 もやし場と呼ばれるこの場所でモヤシの栽培している。
温泉の排湯を引き込み「室」を温めモヤシが育つのだ。


■ 豆もやし ■

明治時代にもやし作りが始まり
大正時代に「小野川豆もやし業組合」できて現在に至るそうだ。

■ もやしのできるまで ■

1週間で成長するもやしだが、手間のかかるカワイイやつだ。

簡単な流れ図
収穫→洗いながら選別→種蒔き→自宅でさらに選別→1把250g→お店へ

・環境
室と呼ばれる長方形の木箱(長さ175cm、幅55cm、高さ55cm)の中で育つ。


この木箱を温泉の排湯の流れる堀の上にならべて、その中に豆をまき砂をかぶせる。
当然、室は温泉熱により温められ「春になったのか?」 と、芽を出し伸びてきたモヤシ君を頂くという寸法だ。
もやしは4日目頃に砂の中から顔を出し、5・6日目にはグングン伸びる。
取り入れられる頃の長さは相当なものだ。
(根を切り落とし、食べられる部分のみで20cm前後)

室の上には普段はワラが敷き詰められ、それによる保温効果を利用して温められる。
ただし、温めるだけではなく温度調節も大切なのだ。
暖かい日にはワラをかき分けて熱を逃がしたり、 とても寒い日になりそうだと、ワラの隙間に砂を詰めたり新聞紙を挟めるなど
デリケートな一面もみせるモヤシ君です。

午前4時の小屋の中は、冷え切った外気と小屋の下を流れる排湯による湯気で ぼんやりとしている。星空の下の明かりは裸電球がぶら下がっているだけであるが、 幻想的な雰囲気も漂う。

「この時間を僕は夜中と呼ぶ、もやし場の方々は朝と言う」

昼間のもやし場は、あまり人気がなく寂しい感じ。

もやしの作業が終わった後、 「あさつき」を収穫しそれを洗う人も多い。

小屋を作っている所。 11月の中旬〜下旬の風景である。
また、材料となる木材は皆で平等に持ち寄るようだ。

12月〜3月頃まで出荷されるが、特に12月頃の初物の時期は競争率が高く 近所に住む私でも欲しい数を揃えることは困難だったりする。
また、温泉街のお客様の多い日曜日の朝なども同様である。

もやしを手に入れる方法はマメにお店へ出向く事。
10時前後にお店に届くので居合わせれば間違いないだろう。

調理例:画像は冷汁(ひやしる)と言って 米沢の郷土料理のひとつ。冷たい汁が美味しい。
冷汁の具は、いろいろバリエーションが豊富のようだ。
ちなみに今回撮影した当館の冷汁の場合ですと シイタケ・くきたち・タケノコ・豆もやし・雪菜・あぶらげ 等が入っている。